電磁気の法則における空間座標の反転について
今日理論電磁気学(砂川 重信著)を読み返していた。空間座標の反転が起こっても電磁気の基本法則の形は不変であることを証明する際、磁場を軸性ベクトル、電場を極性ベクトルとしているところに納得がいかなかったので、直感的に示してみた。
空間座標の反転とは右手カーテシァン座標から左手カーテシァン座標への座標変換のことを言う。
極性ベクトルとはこの変換に対してベクトルが変換前の−1倍されるベクトルのことで、軸性ベクトルとは変換によってベクトルが不変のものである。
例を示す。('がついているのは左手形)
極性ベクトル:
軸性ベクトル:
準備が整ったので命題を示す。
ここては簡単のため、真空中について考え、maxwel方程式の内下記の2式を用いる。
(1)
(2)
磁場について考えていく。真空中より、(2)式は
(2')
これが意味するのは、電流が流れている時、そこに右巻きの磁場が生まれると言うものである。いま右手系で直線電流が上向きに流れていると仮定する。そうすると、電流周りに右回りの磁場が発生する。これを左手形に座標変換すると電流は速度に依存する関数なので逆向きになり、磁場は左手形では左巻きの磁場が発生する。つまり、右手系から左手形に座標変換すると、電流が極性ベクトルのため符号が変化するが、回転(rot)によって向きも変わってしまうので結果として磁場の富豪は変わらず、軸性ベクトルといううことがわかる。
同様に(1)式から電場について考えると回転(rot)の操作により変換後、電場の符号が逆になるので極軸ベクトルであることがわかる。